(2)オプション
商品ミックスとして、メインの商品とオプション品という形をとることもあります。自動車などが良い例です。
自動車の販売の場合、基本的な装備しか付けないことで自動車の価格を低く設定することが常道でした。低い価格に魅せられてショールームに訪れた消費者に対して、様々なオプション品を付けさせることに成功すれば、かなりの利益が期待できるわけです。
「はなまるうどん」も同様の戦略を採っています。はなまるうどんでは、「105円から讃岐うどん」と宣伝しています。実際に、店舗に入ってみると、105円のうどんのサイズは「小」であることに気が付きます。「中」なら210円、「大」なら315円です。しかも、この価格のうどんは「かけうどん」で、特別なトッピングは何ものっていません。もし、「きつねうどん」の大にすれば、504円となります。更に天麩羅を加えると最低95円は追加となり、約600円となります。
(2段階価格制)
電気やガスなどの公共料金では、料金が固定料金と変動利用料金の2つからなっています。このような価格設定方式は、2段階価格制、又は2面プライシングと呼ばれます。
昨年12月から東京都のタクシー料金が値上げになりましたが、タクシー料金も一種の2段階料金です。新しい料金制度では、初乗り運賃(の上限)は660円から710円となりました。初乗りから2キロを超えて走行距離に応じ加算される額は、現在の274メートルあたり80円から280メートルあたり90円となりました。
運賃はタクシーに限らず、地下鉄やバスなどは、ほとんど初乗り制をとっているので、一種の2段階価格制となっています。
似たような価格設定は、遊園地でもみられます。多くの遊園地では、入場料と乗り物料金は別になっています。入場料がメイン料金で、乗り物料金をオプション料金とみることができますが、入場料が固定料金で、乗り物料金が変動利用料金とみることもできます。
固定電話の料金も、基本料金と従量制料金の2段階価格制になっています。携帯電話も一般に基本料金と従量制料金の2段階価格制になっています。2007年のヒット商品番付での西の小結にランクされたいま人気のソフトバンクのホワイトプランの料金体系は、基本使用料が月額980円で、1時~21時の間はソフトバンク同士の通話料は無料で、それ以外の通話料は30秒21円となっています。
(有料会員制も2段階価格制)
自社カード割引の例として紹介した「伊勢丹アイカード」も2段階価格制ということができます。このカードは、入会初年度1年間は年会費無料ですが、2年目から年会費2,100円が必要です。その年会費が基本料金的な役割となるのです。つまり、この年会費を納めれば、割引が受けられるという仕組みになっているのです。
最近、このように会費を払った会員だけに特別割引をするといった有料会費制をとる企業が増えてきております。スーパー銭湯の「お風呂の王様」も有料会費制となっています。大人の入浴料(平日)は、一般料金が600円に対して会員料金は550円と50円割引となっています。 ただし、有料会費制といっても入会時に100円かかるだけです。
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