国民生活金融公庫の開業計画書の記入上の注意~事業計画書の記入要領~

2004-11-15

次に、国民生活金融公庫の開業計画書の記入上の注意事項を見てみましょう。これも国民生活金融公庫が公表しているものです。
1 売上高の計算方法について
業種の特性を考え、最も適した方法を選び、他の方法もあわせて検討してみましょう。また、業界平均に地域事情などを考慮するなどして多角的に売上高を予測することが大切です。
(1) 設備が直接売上に結びつき、設備単位当たりの生産能力がとらえやすい業種
(部品製造業、印刷業、運送業など)
〈算式〉設備の生産能力× 設備数
[例1] 業種:部品(ボルト)製造業
・旋盤2台
・1台当たりの生産能力1日(8時間稼動)当たり500個
・加工賃@50円、月25日稼動
売上予測(1ヵ月)=50円×500個×2台×25日=125万円
(2) 販売業で店舗売りのウェイトが大きい業種(コンビニエンスストアなど)
〈算式〉1㎡(または1坪)当たりの売上高× 売場面積
[例2] 業種:コンビニエンスストア
・売場面積100㎡
・1㎡当たりの売上高(月間) 15万円
(「小企業の経営指標」による業界平均から算出)
売上予測(1ヵ月)=15万円×100㎡=1,500万円
(3) 飲食店営業、理容業、美容業などサービス業関係業種
〈算式〉客単価× 設備単位数(席数) × 回転数
[例3] 業種:理髪店
・理髪椅子2台
・1日1台当たりの回転数4.5回転
・客単価3,950円、月25日稼動
売上予測(1ヵ月)=3,950円×2台×4.5回転×25日=88万円
(4) 労働集約的な業種(自動車販売業、化粧品販売業、ビル清掃業など)
〈算式〉従業者1人当たり売上高× 従業者数
[例4] 業種:自動車小売業
・従業者3人
・従業者1人当たりの売上高(月間) 338万円
(「小企業の経営指標」による業界平均から算出)
売上予測(1ヵ月)=338万円×3人=1,014万円
※ 1㎡当たりの売上高や従業者1人当たりの売上高などについては、「小企業の経営指標」(国民生活金融公庫総合研究所編)などで調べることができます。
2 支払利息の計算方法について
ここでは便宜上、1ヵ月の支払利息を次のように計算します。
〈算式〉借入金残高× 金利(年利) ÷ 12ヵ月
借入金が複数ある場合は、それぞれについて計算して合計します。
3 売上原価について
売上原価とは、卸売業・小売業・サービス業の場合、売上高に対応する商品等の仕入高のことを指し、製造業の場合、製品の製造に直接かかった経費(材料費、工場の人件費、外注費など)を指します。
売上原価は、一般的には「売上高×原価率」で求めます。原価率は業種や商品によって違います。業界平均値をもとにあなたの考えている販売戦略などを加味し、原価を求めてくだ
さい。
4 人件費について
個人営業の場合、経費の中の人件費には事業主分を含めません。ただし、事業主の家族などの分は含めます。
5 その他
ご不明な点については、当公庫発行の『新しく事業を始められる方へ-新規開業の手引』をご参照いただくか、支店の融資相談窓口におたずねください。

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