リスクと対応~事業計画書の項目別解説(コツと注意点)~

2004-12-06

何事であれ先行きには不確実な要素が多いものです。新しい事業ともなると特にいろいろと不確実な要素があるはずでしょう。
事業計画書を作成する場合、不確定な要素や問題点がどこにあるのかを把握しておくことは非常に重要です。将来のリスクを可能な限り予測し、リスクを最小限にするためにいかにコントロールしていくのかを検討することこそ、事業計画書の策定の意義であるという考えもあるほうです。
事業計画書に、リスクファクターを明確に認識して、その対応についての見解を示しておくことは重要なことです。事業計画書の読者は、リスクファクターに対する評価を必ず行うものと考えて下さい。
事業にリスクは付き物です。
リスクを全く無視するのは、蛮勇であり、経営者としては失格です。しかし、経営者には、場合によっては、リスクをとる勇気も必要です。
重要なのは、リスクに見合うだけのリターンがあるかどうかです。
また、リスクも対処の仕方次第では、減少させたり、コントロールすることができます。
「リスクとその回避方法」を記載することになっていますが、必ずしもリスクそのものも回避する必要はありません。
例えば、火事にあうリスクは必ずありますが、これは火災保険に加入することにより、(火事にあうリスクは避けられませんが、火事から生じる)損失は回避することができます。
(リスク以外の課題)
リスクと呼ぶのにはふさわしくないものでも、事業を遂行する上でネックになると考えている事項がある場合は、その事項についても、ありのままに記載してください。
問題点やリスクがないことに越したことはありません。しかし、問題点やリスクのない起業など通常考えられません。むしろ、問題点やリスクをキチンと認識できる能力は、経営者の重要な資質であります。したがって、つつみ隠さず、積極的に開示して下さい。もちろん、それに対する対応策もできるだけ記載して下さい。
リスクファクターの開示が難しいと思われる方は、株式公開の際に提出される「目論見書」や「有価証券届出書」を参考とするのも良いでしょう。「目論見書」や「有価証券届出書」には投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項としてリスクファクターの開示がされています。

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