業界内のライバル競争~ファイブ・フォース・モデル~
自社が属する業界内での現在の既存企業間での競争の激しさです。同業他社との敵対関係の強く、企業間競争が激しいと、その業界で利益を得ることが難しくなります。そのような業界は魅力的とは言えません。例えば、受注を狙って過当な価格競争を繰り広げている業界は魅力的とは言えません。一般に、業界内に企業が多い場合、製品・サービスの差別化が難しい場合、撤退障壁が高い場合などは競争が激化しがちです。撤退障壁が高い場合とは、例えば、借入をして機械を購入した場合が上げられます。借金をしているので止めるに止められない。機械を購入したから、遊ばしておくのは勿体ないので、稼働率を上げなくてはならない。そこで減価償却費もろくろくカバーできないような赤字受注をしてしまうのです。
一方、業界内のメンバーが団結をして決して安値受注はしない業界は魅力的です。
ただし、注意することが3点あります。
1点目は、手段を誤ると違法行為となるということです。業界で団結することは、業界の構成メンバーのためにもなり、その意味では良いことなのですが、手法を誤ると大変なことになります。例えば、談合やカルテルは、原則とて、独占禁止法に違反することになります。法律違反で摘発されるとなると、元も子も無くしてしまいます。
2点目は、市場拡大が制限されるおそれがあるということです。業界で団結すると、利益率は高くなりますが、市場の拡大は望めない可能性が高くなります。業界で団結して価格を高く維持すれば、安ければ購入しようとする買い手を排除する結果となるからです。
3点目は、競争力が低下するおそれがあるということです。業界で団結すると、利益率は高くなりますが、ややもするとそれに安んじてしまい、経営努力を怠りがちとなります。その状態が続くと、新規参入者が「価格破壊」をスローガンにして、一気に市場を席巻してしまうおそれが高くなります。
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