最適シェア維持戦略~リーダーの戦略~

2005-06-15

最適シェア維持戦略とは、むやみに売上を伸ばしてシェアアップを狙うのではなく、利益が最も高くなる売上高を認識して、その売上でのシェアを維持しようとする戦略です。一般に売上高や生産量を伸ばすために追加的に必要な費用(限界費用)は段々と大きくなっていきます。例えば、ある田圃でお米を1kg余分に作るのに、最初は少し肥料を余分に与える位ですみますから、追加的な費用は100円ほどで済みます。しかし、収穫量が増えてくると1kg余分に作るには、品種改良が必要になったりして、かなりの費用が追加的に必要となります(これを経済学では「限界費用逓増の法則」といいます)。もし、お米が1kg300円でしか売れないのに、1kg余分に作るのに300円以上の費用がかかるようでは意味がありません。それ以上、売上増加・シェア増加は目指さない方が合理的です。営業活動を例にとると、70%のシェアを71%にする営業努力は20%を21%にする時と比べて格段に大きな努力が要求されます。この結果、売上増加・シェア増加は達成したものの、返って利益額が減ることもあります。
なお、リーダーは「非価格対応」をすることが上策といわれています。非価格対応とは、競合他社が低価格戦略をとって、安売り競争を仕掛けてきても、安易に対抗値下げで応じないことです。どの企業も揃って3割引をした場合、最も利益が減って打撃を被るのはリーダーだからです。

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