チャレンジャーの戦略~ポジショニング~

2005-06-15

チャレンジャーの場合、リーダーが追随できないような差別化を図ることが基本的な戦略となります。リーダーに対して正面から正攻法でぶつかっても、経営資源に乏しいから大きな成果は期待できません。むしろ、チャレンジャーは、リーダーが資源や資産をむしろ重荷にしてしまうような戦略が効果的です。例えば、我が国のパソコンの市場では、かつてはNECがリーダーでした。NECは「PC9800シリーズ」という機種で圧倒的なシェアを築いていました。しかも、「PC9800シリーズ」は他のメーカーのパソコンとは互換性がないので、その分、独占的な高価格政策を維持することができ、利益率も非常に高かったのです。そこで、チャレンジャー達は「DOS/Vパソコン」という他のメーカーと互換性のあるパソコンを市場に投入しました。他のメーカーと互換性があるため、独占的な高価格政策をとることはできませんでしたが、価格がリーズナブルなこともあって、チャレンジャー達は徐々にシェアを上げていきました。ある程度まで互換機のシェアが伸びると、NECの「PC9800シリーズ」は互換性がないということでむしろ敬遠されるようになりました。この結果、「PC9800シリーズ」という独自企画商品はむしろ重荷になってしまったのです。

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