勝者一人勝ち~浸透価格政策~
2005-07-11
英語に「 Winner takes all. 」という表現があります。「勝者丸取り」、「勝者一人勝ち」ということです。
米国の大統領選挙でも、この方式が採られており、州ごとに、多数決の勝者が全ての選挙人を獲得するという制度となっています。また、よく考えると多数決方式が、「勝者一人勝ち」というルールになっています。
経済においても、この法則があてはまることが多いといわれています。つまり、トップシェアを握ったものが、結局は、市場のほぼ全てのシェアを獲得できるという法則です。
例えば、Eコマース(電子商取引)
のブームの中で、数多くの「電子ショッピング・モール」が生まれましたが、結局、大きな利益をあげているのは、「楽天市場」だけだといわれています。
また、パソコン基本ソフトの「ウィンドウズ」と「マックOS」の競争においても、ほぼ「ウィンドウズ」の一人勝ちとなっています。古い話としては、ビデオデッキ市場における「VHS」と「ベータマックス」の覇権争いにおいても、当初は拮抗していたシェアが現在は「VHS」が圧倒的なシェアを獲得しています。我が国の株式市場も同じような現象が現れました。戦後、8つあった証券取引所は、段々と東京証券取引所の一人勝ちの様相が明確になり、既に3つの証券取引所が淘汰されて消滅しています。
こうしたことから、トップシェアを握ることが非常に重視され、その手段として浸透価格政策が採られることが多いようです。
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