希望小売価格とオープン価格~価格政策~
2005-07-11
販売元であるメーカーが卸値(出荷価格)だけを提示する方式をオープン価格(オープンプライス)制といいます。つまり、オープン価格制とは、標準卸売価格や希望卸売価格、標準小売価格や希望小売価格を設定しないで、卸売業者や小売業者自らの判断で自由に価格決定を行う方式です。
オープン価格制に対して、メーカーが、標準卸売価格や希望卸売価格、標準小売価格や希望小売価格を設定方式は、建値制と呼ばれます。
消費者の立場からみれば、オープン価格制の場合、比較参照するものが無いので、その価格が安いのか高いのかについての判断が難しくなります。したがって、販売店の店頭価格を調べて、実勢価格や実売価格から値段の妥当性を検討することになります。消費者にとっては、価格情報を収集・分析するコストが増えます。こうしたことが背景になって、価格比較サイトの「カカクコム」が人気を集めているのです。
一方、オープン価格制の方が販売店間の公正な競争が促される結果、価格が安くなるというメリットが考えられます。
ビール業界においては、キリンが2004年1月からもビール・発泡酒の希望小売価格、希望卸売価格を廃止し、「オープン価格」制へ移行しました。続いて、2005年1月には、アサヒビールも「オープン価格」制へ移行しました。これに伴い、希望価格をもとに「大瓶2本」などの額面を設定してきたビールギフト券が2004年末で販売を終えました。
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