算術的分解法~費用分解~
2005-07-20
算術的分解法とは、2期間(年度)の損益計算書を比較して、売上高と総費用の増加額から変動費率を算術的に導き出す方法です。この方法には、比較的簡単に固定費と変動費率を算出できるというメリットがあります。
しかし、選択した2期間に特殊な要因がある場合は、算出された固定費と変動費率の信頼性は低くなります。したがって、特殊な要因の無い期間を選ぶか、特殊な要因がある期間を選択した場合はその影響を除去するなどの工夫が必要です。
2期間の選定において、操業度の高い期間(年度)と操業度の低い期間(年度)を選ぶ場合もあります。この場合の算術的分解法は、特に高低点法を呼びます。
例えば、高操業度の年度の売上高が6,000,000円、費用が2,80,000円であり、低操業度の年度の売上高が2,400,000円、費用が1,720,000円であったとします。
この場合、高操業度の年度と低操業度の年度の数値を比較すると、売上高では3,600,000円の違いがあり、費用には、1,080,000円の違いがあります。つまり、3,600,000円の売上高の増加に伴い、1,080,000円の費用が追加的(変動的に)にかかったということです。これから、変動費比率は、0.3(=1,080,000円÷3,600,000円)と分かります。変動費比率が0.3であれば、低操業度の変動費は、720,000円(=0.3×2,400,000円)と計算できます。総費用が1,720,000円なので固定費用は1,000,000円(=1,720,000円-720,000円)と算出できます。
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